SDGs(持続可能な開発目標)が話題にのぼるようになって久しい中、SDGsに取り組む企業も増え、日々の業務において定着しつつある企業も多いのではないでしょうか。しかし、イベントのような不定期な企業活動においてはまだ課題が多く、お悩みの企業様も多いかと思います。この記事ではサステナブルな社会とは何か、そしてサステナブルの観点からみたイベントにおける課題と解決策を解説いたします。
1.サステナブルな社会とは
国連は2015年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて、SDGs(持続可能な開発目標)を盛り込みました。その内容は、17の目標と169のターゲットからなり、貧困や不平等、気候変動や資源枯渇といった世界中で生じている問題の解決を目指すものです。
サステナブルな社会とは、地球環境を保護し、限りある資源を持続可能な形で利用しながら、現在と未来の世代が豊かに暮らせる社会のことであると言えます。またそれを実現するためには、個人、企業、政府が協力して取り組むことが不可欠です。
2.サステナブルな社会の実現においてイベントが抱える課題
サステナブルな社会の実現に向け、人々の豊かな生活にはさまざまなイベントの開催は大切なこと。一方、イベントは、開催が不定期であることや参加が大人数にわたることなどから、日常的な活動とは異なる環境負荷への多岐にわたる課題が生じます。主に次のようなものが考えられます。
2-1.CO2排出量の増加
イベント開催に伴う移動やエネルギー消費により、CO2の排出が増加します。特に大規模なイベントでは、参加者の移動手段や会場の電力消費が大きな課題となります。
2-2.廃棄物の増加
イベントでは使い捨ての食器やカップ、パンフレットなど、大量のごみが発生します。
2-3.資源の過剰消費
イベントの設営や運営においては、装飾やブースの設置に使われる材料や、配布物に使われる紙など多くの資源が消費されます。
2-4.エネルギー消費
照明や音響設備、空調などの使用により、エネルギー消費が増加します。
2-5.自然環境への影響
野外イベントの場合は、騒音やごみの散乱、植生の破壊といった問題も発生する可能性があります。 これらの課題を最小限に対処する方法としては、再生可能エネルギーの利用、リサイクルの推進、デジタル化の促進などが挙げられます。さらに、参加者やスタッフへの環境教育など、サステナブルなイベント運営への取り組みが不可欠です。
ムラヤマの実績
3.サステナブルなイベントを実現するためのポイント
3-1.アクセスの良さ
公共交通機関からのアクセスが良い場所を選ぶことで、参加者の移動がスムーズになります。また、バリアフリーへの配慮も重要です。
3-2.適度な会場規模
予定している参加者数に対して適切な広さの会場を選びましょう。広すぎるとエネルギー消費も大きくなります。さらには空間が寂しく感じられることも。一方で狭すぎる場合には圧迫感を与えてしまいます。
3-3.環境に配慮した会場
再生可能エネルギーの利用やゴミの分別について配慮している会場を選びましょう。
3-4.廃棄物の減量とリサイクル
イベントで発生するごみの分別と減量化を実現するためには、以下の取り組みが効果的です。
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1.事前把握と減量化計画イベントの企画段階で、想定されるごみとその量を見積もり、減量化と分別処理の計画を立てる。
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2.分別回収とアナウンス会場内に分別ステーションを設置し、分別方法が一目でわかるようにポスターやアナウンスで参加者に知らせる。
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3.デジタル化QRコードやアプリの利用と併せ、パンフレットやチラシをデジタル化することで、名刺やチラシ、アンケートなどにおける紙の使用を減らす。
3-5.リサイクル素材や代替素材の利用
展示会などのイベントにおいては、ブース設営や装飾に様々な建材や素材が使用されます。例えば床や壁に使われる建材は、リサイクルが可能なコルクや、端材で作られる集成材などを用いると環境負荷は低減されます。また、装飾部材においては、近年、環境負荷の低い代替素材が開発されており、積極的に用いると良いでしょう。
3-6.エネルギー消費の抑制
様々な演出に必須となる音響や照明ですが、例えばLED照明を用いることで、消費電力は白熱電球の1/6に抑えられると言われています。また、空調の適正管理を行うなど、必要以上のエネルギー消費を避けましょう。
3-7.環境にやさしい素材を使用したノベルティ
イベントで配布するノベルティは、環境に優しい素材を使用したものを選びましょう。例えば、リサイクル素材で作られたバッグや、再利用可能な水筒などが考えられます。
3-8.運搬時のCO2排出量の削減
資材や販促物の輸送には、グリーン経営認証を受けた運送会社を選びましょう。グリーン経営認証制度とは、運輸事業者が環境保全を目的とした取り組みを行っていることを認証する制度。輸送におけるエコドライブの実施や低公害車の導入などにより、燃費の向上やCO2排出量の削減が期待できます。
これらのポイントを考慮することで環境負荷を最小限に抑え、持続可能なイベント開催を目指しましょう。
4.まとめ
サステナブルなイベントを実現するためのポイントをご紹介しました。イベントは不定期に開催されるため不慣れなことや考慮しなければならないことも多く、その規模が大きくなればなるほど「環境にやさしいイベント」の実現まで配慮が行き届かないことは珍しくありません。しかし、企業に求められる環境対策における責任は日に日に高まりつつあります。(まずは貴社のイベントにて、少しずつでも取り組んでいただければ幸いです。)
株式会社ムラヤマでは、あらゆるイベント開催に向け、環境にやさしい企画を積極的に提案しています。気になることや困りごとがございましたらお気軽にお問い合わせください。
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