感動価値創造の時代へ

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『感動のハナシ』第1回

さあ、いよいよ『感動のハナシ』のスタートです。
でも、第1回ということで少し肩に力が入っていたようで、ちょっと固いお話になっています。ザックリと要約すると、「心の空腹」を感じる人が増えている今、その空腹を埋めるものとして「感動体験」を求める気持ちが高まっている。個人も、社会も、企業も、お金やモノだけでなく「感動」に大きな価値を感じる時代になっている。そんなお話です。

「心の空腹」を満たすために。

現代社会では、モノの豊かさと心の豊かさとの乖離から「心の空腹」を感じる人が増えており、それを満たすための「感動」が必要とされているようです。

今日、人びとは心とモノの両面からの満足をもとめるべく、感動や共感、カスタムメイドといった要素を含むものに高い価値を感じやすくなっています。

こうした、ポスト・モノ消費社会という環境変化に対して、ビジネス・シーンもマスマーケット中心戦略から共生マーケット戦略へ変革しています。つまり、市場環境への適応だけでなく、企業市民としての社会活動や新生活提案など、生活者と共感しともに成長することを強く感じさせる企業戦略が主流になりつつあります。

このような成熟した企業という期待に応えるブランド・イメージづくりとともに、人びとの心の空腹を充足し共感を深める「感動価値」にもとづいた企業戦略が、今後のビジネスの利益と成長性を保証する基盤になるのではないか。そのことを、この小冊子で少し考えたいと思います。

また、インターネットなどデジタルメディアの台頭は、マスメディアを変えていくと同時に、生活者の情報環境と意識に大きな影響を与えています。膨大な情報量を交信できるこれらは、情報空間という非実在世界に臨場感あるリアリティをもたらし、誰もが手軽に多様な情報を享受できる一方で、実存感や虚実境界意識の希薄化を拡大するといった問題も指摘されています。

ICT技術の進展は、強烈な現実感ある仮想空間を実現させるかもしれませんが、臨場感と現実経験は大きく違います。またリアルに互いの感情を伝え分かち合うような交流機会も減少しやすく、メディアやコミュニケーションの効果を高めるには、現実体験の確かさのある接点というものが、かえって重要になってきます。

「感動価値」に関心を向ける理由として、このような、人びとを取り巻く情報コミュニケーションの環境変化もあります。

わたしたちは感動をコアとしたリアルな接点で、つながり、むすびつき、ふれあいのコミュニケーション連鎖がとめどなく広がる時代、「感動価値創造の時代」が到来することを願っています。感動体験を共有した絆づくり、感動による強い記憶の定着、感動による心の豊かな充足・・・。そうしたすべてが感動の効果であり価値なのです。

連載第1弾『感動のハナシ』

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