「豊洲イルミネーション」心に残る空間づくりと安全管理

MEMBER REPORT Text by:小暮太陽

豊洲の冬を彩るイルミネーション『TOYOSU Harmonic Illumination』をテーマに今冬も制作させていただきました。

豊洲は、日が暮れるとオフィスビルとタワーマンションの窓明かりが灯る夜景が美しい街です。
地下鉄の入口へと続く地上路は、仕事を終え帰路につく人、家路につく人が行き交います。

寒さ厳しい冬の帰宅路を、イルミネーションで温かい気持ちで歩ける空間にしたい思いで作っています。スマホで写真を撮っている方、ベンチに腰掛けて過ごしている方、ジョギングの途中に足を止めて見てくださる方を見かけると、私たちも温かい気持ちになることが出来ます。

オフィスビルの窓明かりだけの街で歩く家路は、目の前の忙しさに囚われてしまいそうになります。そんな時、どこか遠くで流れている時間を意識すると何故か気持ちが少し落ち着くことがあるように、豊洲のイルミネーションを通じて、この道を通る全ての人の心の片隅にゆったりとした時間が残るような、そんな空間を目指しました。
時間に追われながらも今を生きる人々の生活にゆったりと流れる、もう一つの時間を感じられるように、と願っています。

今回は、そんな空間の制作の裏側で安全管理に関して行っていることをご紹介いたします。

安全管理は施工時において最も重要な最優先事項となります。このイルミネーションのように歩道上で施工を行う際に最も気を付けなければならないのは一般通行人の安全です。施工時に通行される方々の安全を確保するために下記の事を行います。

・人通りの少ない時間帯・曜日に行う計画をする

・施工エリアを限定的に区切り、囲いを立て通行人との距離を確保する

・作業員を見る作業管理者と通行人を見る警備員を配置する

そして、通行人と同様に施工作業員の安全も重要です。そのために下記の事を行います。

・脚立作業時は、脚立が安定するように必ず補助員が脚立を押さえます

・複数人による作業時は声を掛け合い、手順を確認しながら行います

・作業前に危険予知(KY)ミーティングを行い、注意事項の共通認識を合わせて行います

※アウトリガー : 車両を固定し、作業中の揺れを防止します(写真右上)

更に高所作業車を使用する際は下記の事に注意します。

・作業員は安全帯(フルハーネス型墜落制止用器具)を着用し、フックを手摺に掛けて万が一の転落を予防します

・高所作業車は※アウトリガー(写真右上)で車両の安定を確保し、作業中の車両の揺れや傾きを防止します

・高所作業車による作業時は作業管理者が立会い、慎重な操作で作業を進めて行きます

・配線を渡す作業の際は声掛けを行い、確実な受け渡しを行っていきます

これらは安全管理に関する基本の一部です。
上記を実行するためには事前の計画からシッカリと設計していくことを重要視しています。
万が一、誰かに何かが起こってしまった時、苦い思い出ほど、ずっと残ってしまいます。
人々の心に残る空間を作っていく裏側には、安全に基づいた施工があります。

豊洲のイルミネーションは行きかう人々へ、静かにゆったりと流れゆく時間を提供すべく、ゆっくりと灯します。

点灯期間:2024年11月15日~2025年2月14日

企画協力:橋場グランド社/新田国栄

写真撮影:J-LIGHTS/板村光一郎

MOVIE:伊藤孝志

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